よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

小さくなっていく子ども

重い物を持ちあぐねていたり、固い蓋を開けるのに苦労していたりすると、どこからともなく「やりましょーか」という古風な声掛けを頂く。ニャタだ。最近、身長も体重もとうとう-2SD をはっきりと下回り、ますますコンパクトだけど活気のある子だ。 新しくや…

言い訳を語る

二人で布団に転がって歌など歌ったり、ワンオペ育児はしんどいけれども、気楽な瞬間もある。「早く寝なさい」とか「寝る前に騒ぐから寝付けないのよ」とか、言われなくて済むからね。大きな声で合唱する。 ニャタがふと私の方を向いて、「右耳にまた水が溜ま…

おしゃべりさん

午後から機嫌が悪くなってきて、そんなに体調悪くなさそうだし天候のせいかな、蒸し暑いの苦手だし、と思いながらも冷房で冷やしすぎるのも怖くて。結局、夜のお風呂で蛇口から少しだけ水が出るようにしてあげたら、すごく楽しそうに、小一時間程ひとりで喋…

おじさん現る 

ニャタと二人きりの将来を悲観するわけではないけれど、何となくそれを想像できないでいた。だからといって、「自然な出会い」など無さそうなので、「人工的な出会い」を探してみた。そして、三人暮らしが始まった。ニャタと、私と、ニャタが初対面から迷い…

最近の名言

全身麻酔からの目覚めの一言、「元気になりましたー」だったり。母子分離の際の一言、「以上です!」だったり。 全身麻酔から「元気になりましたよー」と言いながら目覚めたニャタ。中耳炎の鼓膜チューブしました。— カアカア (@twp_tokyo) 2020年7月14日 「…

内服忘れ

「ニャタくんが、朝の薬を飲んでいないと言っていますが、本当ですか?大丈夫ですか?」と連絡がきた。ああ、本当だ。でも大丈夫。今朝の薬は下剤の酸化マグネシウムだけだから、今日のところは許してもらおう(ニャタに?先生に?うんちに?)。なんなら、…

小さなおうちで

新しく借りた狭い部屋は、設備も今までのファミリータイプとは違って、たとえばお風呂も自動でお湯を入れる機能とか無くて、「そうか」と思う。でも、台所の周りにおもちゃを置いて、そこで遊んでいるニャタを見ながら家事ができるし、ニャタも凝縮された配…

大好きな赤いおまる

引越しに向けて、おまるを買うことにした。ちなみに今も持っている。引っ越し先のトイレは狭いので、おまるではなくて補助便座が良いかもしれない。これからも、母の所にニャタを連れてくることもあるだろうから、おまるは置いていこう。もう3年くらい前に…

やりたい放題

もうすぐ5歳になるニャタは、相変わらずサバを読んでいる。「3歳終わって、5歳終わって、4歳」になるそうで、自由だ。 甘えっ子が激しい。生まれた時は泣く力も無かったし、その後も抱きつく力も無かったし、だからいつから甘えっ子なのか分からない。も…

自己主張の芽生え

キャッチボールをしながら、「小さい投げると(手をひらひらさせて部屋の隅の家具の隙間を指す=そっちへ転がって行ってしまう)。大きい投げると(振りかぶって投げる真似をして、私が持たされているグローブを指す)届く」。ニャタは大発見をして、しかも…

自分の子どもの好きなところ

嫌なことがあると、斜視が悪くなって、元々目の間が離れているし、顔面がゲシュタルト崩壊するキミが好き。 何年間も離乳食中期の形態を食べ続けているキミが好き。おしゃべりは結構はっきりと出来るのにね。 そうは言っても、他人にも伝わる言葉がある程度…

4歳の育ち

珍しく昼寝の時間を確保できなかった今日は、夕ご飯くらいから愚図り倒した挙句に、よく同じ顔の造りでこうも変われるなというような、「眠くてたまらんです」とでも書いてあるような、ふにゃけた表情で早々に眠りに落ちた。 何でも食べる子だったのが(例外…

4歳の夏へ

何でも良く食べる子だったのが(和風に味付けし離乳食中期レベルに仕上げた肉、魚、野菜に関してだけど)、選り好みをするようになった。前回は食べたスープの残りを今度は食べられないと言ってみたり、代わりに昨日食べたのと同じスープを食べたいと言って…

子育ての凪

朝ごはんの支度をしている時に、ニャタの歌声が聞こえてきた。赤ちゃんの頃は抱っこして、その後はキッチンにイスを持ち込んで座らせて、台所に立ってきた。でも最近は、台所に座っているのも嫌だし、一人も嫌で「遊んで遊んで」で、朝ごはんの支度をするの…

いたずらっ子

部屋ってすぐに散らかる。朝からバアバが、テーブルのチラシや床のおもちゃを、あるべき場所に片づけ始めた。「昨日届いたナゾナゾの本は出しておいてね、今夜でもニャタにやってみるから。片づけると忘れちゃうからさ」と私は頼んだ。「それってどこにある…

良い子の季節

最近の彼は育てやすい。まず、病院に行くことが減った。コロナで抑えているところもあるので、ぼちぼち定期の循環器やら耳鼻科に行って大変なことになっていたら本当に嫌なのだけれど、とりあえず毎日は元気そうに暮らしている。 イヤイヤ期をいい加減に通り…

言葉を覚えて、文章を組み立てる

万年反抗期のニャタは、否定形の文章を手に入れた。「パンツを履くしない」「食べるない」と、オリジナリティーをもって言ってくる。 ベビーサインはほぼ絶滅した。自然にお互いにサインでしゃべっていたようで、消えてみると寂しく感じる。広い世界から区別…

ライオン(はじめてのお絵かき)

お風呂上りに私がドライヤーを使って部屋へ戻ると、ニャタに服を引っ張られた。ニャタのもう片方の手は、お絵かきボードを指している。ニャタは描くことを好まないのでしばらく眠っていたが、この数日は予定を書いて使っているものだ。 「ライオン、まる、か…

子どもの心がわからない。

心がどういう風に出来上がっていくのか、今一つ分からない。生まれた時からニャタを観察していれば、一つずつ見えるかなと思ったんだけど、いつも気がつくと次の段階に進んでしまっている。 ニャタが背中を向けて、座って遊んでいた。後ろをバアバが、家事を…

子ども時間の生活

自分でスケジュール管理をやりはじめたニャタ4歳、中身は1~3歳。朝起きて、しりとりカードと神経衰弱ゲームをしてから、朝ごはんの支度。朝ごはんを食べ終わって、ボール投げをしてから歯磨きと着替え。ビデオを見てから散歩に行って、帰ってきたらまたビデ…

変わったことは何もないです

散歩の帰りは抱っこで帰ると勝手に決めているニャタ。道の真ん中で「抱っこ―」と叫んで両手を広げ、あまりにあんまりだから笑って眺めていたら、通行人も笑った。結局おんぶして歩いていたら、顔見知りのお巡りさんも微笑んだような気がした。 何の歌を歌っ…

幼児期の変わった生き物

さっさと寝てくれ、くらいに思いながら、お昼寝布団を敷く。一瞬目を離していたニャタが、満面の笑みで何冊もの絵本を抱えて再登場。いやいや…と思って、いやいや、はだからニャタの口癖なんだな私がよく言ってるんだな、思う。3本目の21番染色体をもつ人た…

ごっこ遊び

一人で遊んでくれる時間は一日のうちにそんなにないけれど、その大半の時にぶつぶつと独り言を言っている。「トントンちて、ジュージューちて」とおままごとの手順を口にしていることもあれば、空に向かって手を振りながら「みんなーこんにちはー」とおかい…

喋るけど変わってる

おしゃべりが上手になってくるにつれて、その独特さも際立ってきたニャタ。「どれ?」と聞くときに、「どれか?」になる。テレビ番組の真似をして私にマイクを向けるので「鈴木花子です」と私が名乗れば、「鈴木さんですね」の代わりに「鈴木かい」と言う。…

自立心と甘えと屁理屈

お手伝いを頼むと、非常にイソイソとやってくれる、今日この頃のニャタ。物を運んでとか、そういうこと。やや複雑なオーダーにも応えられるようになってきた。例えば何枚か買った洋服のタグを切りながら、「これをゴミ箱に捨てて、それからゴミ箱はこっちに…

会話で伝える

ニャタが私と耳鼻科に行って、その時の話をバアバへ上手に伝えられたという出来事の記録です。 ニャタ:耳鼻科、行ったよ。 バアバ:(ニャタに言っている「お耳の先生」ではなく、大人同士の会話で使っている「耳鼻科」を言ったことに微笑みながら)そうな…

本当にやめてね。

いたずらをして、「ほんとーに、ほんとーに」と言って微笑みかけてくるニャタ。 子育てにネガティブな言葉はよろしくないだろうと、「ダメ」「やめて」「悪い子ね」「いい加減にしなさい」などなどを出来るだけ飲み込んでいる。残った「本当に…!」が今の私…

先に進むニャタを追いかける怖がり母

みんなそうなのかもしれないけど、でも私の母は子育て中、次のシーズンに私たちがどのサイズを着るのか予想して、シーズンオフのセールで子供服を買っておいたと言うけれど、私はニャタの成長が予測できなくて買えない。こういうところに、マイノリティーの…

4歳の心の成長

ニャタのお姉さん的に遊びに来て下さる方がいて、記念日にカードを作ってあげようと思った。ニャタには色塗りを頼んで、いつもの子供用クレヨンを出してきたら、「こっちでしょ」とばかりに蜜蝋クレヨンを持ってきた。そう、それはそのお姉さんからの贈り物…

変身ニャタ

文章で話すようになった。もちろん、不完全な文だけど。こうだからこう、と理由づけをして話すようにもなった。もちろん、事実と異なったり理の通らない理由だけど。 ベビーサインは急激に消えてきた。ニャタはベビーサインの優秀な使い手だった。簡単でよく…