よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

妊娠中、特別な日に食べるケーキ

 子どもの頃、ケーキは特別な日に食べるものだった、という人も多いがうちはそうではなかった。近所のコージーコーナーのチーズケーキやアップルパイ、母が新宿にお出かけした日にはトップスの紅茶ケーキやクルミの入ったチョコレートケーキを、庶民的な生活をしながら子どもたちを喜ばすために買ってきてくれた。それでも、クリスマスやお誕生日に加えて、ケーキを食べる日は「特別な日」を子ども心にアップグレードしていたから、やっぱりケーキは年に数えるほど、特別な日に食べるものだった。

 今では、近所のケーキ屋さんで、早く閉めるから午後仕事の日は買えないけど、週に2、3日は買おうと思えば帰る。それに、コンビニやスーパーにも、モンブランやショートケーキ、チーズスフレにガトーショコラと、結構立派なケーキがいつも売っている。妊娠前は、当たり前のように並べられたそれらのケーキを、当たり前のようにしょっちゅう買って食べていた。でも今は、妊婦になって体重増加のペースに神経質になっている。ケーキなんて、クリームやバター、お砂糖がたっぷりで、300kcalや400kcalもするもの、食べられない。間食は、栄養素の補充じゃなくて楽しみの場合、100kcalまでならいいらしい。でも、そんなちょっとのカロリーじゃ和菓子だって食べられないから、私の中でこっそり100kcal~200kcalがOKと拡大解釈している。それでも、ケーキは無理。

 特別な日に食べるべきものを、コンビニはどうしてあんなに普通に売っているんだろう。お客さんが喜んで買うから、お店は利益を上げるためにサービス精神でケーキを量産する。メタボリック症候群が蔓延し、体型を気にする若い人も栄養が偏ったりしていることが社会問題になっている世の中でも、人々の健康を憂慮する役割は、小売店にはない。そういうことなのだろうか。妊婦になって、色んなことを、今までと違うように考えるようになった。偏ってるかもしれないけど。