よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

母子の絆

 妊娠中からその存在を感じ、「たっちゃん」と名前を呼んで想像し、超音波写真を見て確認していたから、産まれて枕元に連れてきてもらった瞬間にはもう、私とたっちゃんは切り離せない親子になっていた。だから、子どもを病院から引き取らなかったり施設に預けたりする人がいると聞いても「何で?」という感じだったし、手術とか積極的な治療をしないという選択をすることも、親が子を選ぶみたいな観点からは、有り得ないと思った。

 でも、今思えば、まだあの時は、今ほどの母子の絆はなかったんだなと思う。出産後、半年が経って、この子の性格を知り、もうこの子なしではとても生きていけないという故のない感情を抱えて、ああこれを母子の絆というのかなと思うようになった。そして、あと半年後、一年後、何年も後にはまたきっと、あああの時は、まだ母子の絆というのを本当にはわかっていなかったのだな、今感じるこれがそうなのだなと、思うようになるのだと思う。

 この子を失うことが、とても怖い。ニュースを見て、当事者の方々のことを思うと何も言えなくなるけれども、怖いニュースがたくさんある。どうして、全員が、元気に大きくなることができないのだろう。事故が起こるなら、車なんて発明されるべきではなかったんじゃないだろうか。病気なんて理解できない。私はただ、この子にすくすくと育ってもらいたい。

 日に何度も、ついつい子どもをぎゅっと抱きしめてしまって、私は少しおかしくなってるんじゃないかと思う。母親という病気になっているんじゃないかと思う。