僕がつくる世界 by twp

2015年10月生まれの47,XY,+21がやってきた。ニャタと呼んでいます。

この世界は終わらない

 私の一番の願いは、たっちゃんを守ること。この母親としての気持ちは、決してあなたには理解できないと思う。それから、私が仕事柄経験してきた辛い思い出。亡くなった赤ちゃんを救急外来に連れてきた呆然とした母親と、職場から駆けつけて現実を知った途端に泣き叫ぶ父親。闘病の挙句に点滴で別人のようにむくんだ顔で亡くなっていった女の子。あの場の映像、そしてたっちゃんがあの赤ちゃんに、あの女の子にすり替わった映像が、私を焦らせる。

 新生児期、お腹が空いても、ミルクを吐いたとしても、何があっても泣いて起きることもできないたっちゃんのために、3時間おきのアラームで起きては、たっちゃんが生きているのを確認する時のいちいち心臓が止まりそうな気持ち。この子は生きるために必要なミルクを飲むことさえ上手にできない障害児なんだと思いながら、哺乳瓶で口のあちこちをつついて哺乳反射を誘発している時の、必死な気持ち。それでも、次のアラームまでの時間を起きていることができないほど、寝不足で疲れ果てた極限の生活。そしてまた、アラームが鳴って、冷たく硬くなった患者さんの感触が蘇る手を、隣のたっちゃんに伸ばす時の気持ち。

 その横で、オンラインゲームをしながら私より先に寝て、時にはアルコール臭をさせながらたっちゃんを起こしそうなくらいのイビキをかいて、夜中も朝も私とたっちゃんが起きても起きてこないし、私やたっちゃんが寝ていても自分の時間で目覚ましを鳴らすことも躊躇なくできるあなた。挙句に私に対して「最低の女」「不愉快な奴」と暴言を繰り返したあなた。気持ちの溝にも気付かずに、別居した後にも、やり直すには「まず一緒に住む家を探せばいいの?」と言ってくるあなた。

 この温度差を、埋められるのだろうかと思う。