僕がつくる世界 by twp

2015年10月生まれの47,XY,+21がやってきた。ニャタと呼んでいます。

子どもの障害で悩んだとき、助けてくれるのは当事者という社会の是非

 弱音の一つも吐きたくなる。子どもの発達障害を心配するお母さんはたくさんいるのに、どうして世の中はこんななんだろう。世の中に期待しちゃいけない、自分なんかっていうのは身に染みてるけど、でも、子どものことだけは何とかしてあげたい。

 ということで、読みふけった本たち。1冊目、渡辺ジュン「療育サバイバルノート」。

療育サバイバルノート―ダウン症の赤ちゃんを授かったすべてのお母さんへ

 この本の名前を付けたのは、著者ご本人なのだろうか?本当にこの題名に魅かれる人を読者に想定しているのだろうか。ちょっと違うと思う。数ある療育の良し悪しとか、どんな療育施設を経験してどうだったとか、そんな話の本ではない。一人のダウン症者、その母親の、半生の記録である。療育にも触れられているけど、決してメインテーマにはなっていない。
 どちらかと言えば、ダウン症児を育てることを即ち療育と捉えられているようで、あながち間違いではないが一般的ではないだろう。通読して心に残るのは、母の愛と試行錯誤。それから、子どもの人間的成長が透けて見える。
 本書に出てくる映画ableを、私は高校の授業で見た記憶がある。ダウン症の若い男性と、自閉症の若い男性が、ホストファミリーの家に滞在しながら現地の学校に通っていた。私にすれば、障害者と接した経験もなく、海外経験もなく、親元を離れて生活したこともなく、よくわからないけどすごいなあとしか分からなかった。そのダウン症の青年が著者の息子だった。
 息子さんも素晴らしい人だし、お母さんも素晴らしいので、意図した訳ではないのかもしれないけど狙ったタイトルではなく、もう少し違う編集で作られた本書を読みたかったなと思う。

 

 渡部伸「障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」」「障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本」。

障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本

 読んだからと言って、悩みが解決されるわけではない。「できるのは、これだけ、ここまでなのか。後はどうなるんだろう」と、残る不安もある。それでも、現行の制度を知り、現状を整理することは、「親なきあと」問題に取り組んでいくにあたって、現実的なツールになる。
 著者はご自分も、障害児の親である。それだけではなく、元々才能豊かで、思いやりのある方なんだと思う。全力の良心で本書をまとめてくださったことが、ひしひしと伝わってくる。良書だと思う。
 それでも、本当はもっと本として評価されるべきものが、既に出版されている世の中であって欲しいと思う。どうして、当事者ではあっても、本という形で現実的情報を出版するプロではない方が、頑張らなければいけないのか。どうして本職による類似の本が先行せず、やっと出てきたこの本が高く評価されるのか。
 障害児の親が、健常児の親以上の心残りを抱えずに死ねる社会へ。著者がこの本にまとめて下さった情報を元に、次の段階に進みたいと思う。
 

 後者の「お金で困らない本」の方なんて、ダイエット分野の「痩せる本」とか、マネー系の「貯まる本」みたいなもので、読んだからと言って障害児がお金で困らなくなる本ではない。でもそれは著者のせいではなく、社会の現状であり、知ることは立ち向かっていくために必須の1歩である。著者も当事者として、他の親に向かって「大丈夫だよ」という親切心からの題名なのかもしれない。でも、未来を見据えて、社会を改善していく方向性も示して欲しかった。それこそ、当事者による原動力が必要な分野だと思う。

 

 もう1冊。井野本優樹「ダウン症ガイドブック: 障害のある子どもを支えるために」

ダウン症ガイドブック: 障害のある子どもを支えるために

 アップ君のパパだ!ローカルシーンのアイドルを、メジャーな場で見かけた時の、誰にも言えない興奮。言えないのは、アップ君パパと何の面識もなく、勝手にブログ読んでるだけの関係だから。さすが、必要なことがさっぱりとまとまっていて、理系のパパっぽい。ママたちの苦労話とか、文系パパの自叙伝は多いけど、理系パパってあんまり表に出てこないよね。でも、アップ君パパは自称文系だから、両刀使いなのかな。

 医療畑で飯を食ってきた私としては、医学情報をもうちょっと補完したいな、なんて聞かれてもないのに返事をしたくなる。でもアップ君パパはいつもきれいで素敵なママさんたちに囲まれてるから遠いな。

 

 働く主婦さんも出版されたらいいのに。教材とかいっぱい作ってて天才。ブログ拝見してます。