よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

お腹の子どもを抱えて実家に帰る

 このところ仕事が忙しくて、お腹にグレープフルーツ大の子宮を抱えた10週の妊婦にはきつくて、この週末は彼が休みなく仕事なこともあって、実家に帰ってきた。一人暮らしをするために家を出てから、実家に帰るには何か理由が必要な気がして、長期休暇とか、家族の誕生日とか、そういう時以外には帰らないようにしていた。親離れの時期だったのか、上手く甘えられなかった。結婚してからは、実家に入り浸るのは彼と仲良くできていないみたいで、親も彼もそんなこと思っていなかったかもしれないけど、両方に遠慮してやっぱりあまり帰れなかった。

 でも、妊娠してから、母がお腹の子を心配してくれて、私も「お腹の子のために」みたいな大義名分で甘えられるようになった。母の料理が食べたいとか…ちょっとゆっくりさせてもらいたいとか…妊娠で不安定なホルモンバランスからくる不安でいろいろ話をしたいとか。今夜のメニューは、母得意のおでん。関西風の出汁を利かせた薄味で、でもゴボウ巻きとか大根とか素材それぞれの美味しさがあって、なかなか真似できない。食後には、お手製のパウンドケーキ。つわりが軽い分、妊娠初期から太っちゃいけないと思って、一人ではお菓子も食べにくいんだけど、今日はついつい手が伸びる。自家製だから甘さ控えめで油脂類も質のいいものを本来必要なだけ使っているとわかるから、食べるのに安心感もある。

 妊娠して、実家との関係がこんなに変わるとは思わなかった。彼のご両親、今ではお義父さんお義母さんも、孫の誕生を心待ちにしてくれているようで、ひとつながりの家族として近しい気もちが強くなってきた。子どもは欲しいと思っていたし、計画して妊娠したし、100%待ち望んでいる気もちしかないと生まれてくる子には伝えられるけど、今の仕事を辞めざるを得なくなることとか、未経験の体のしんどさがあって体型が変化していくことにも戸惑いはある。そんな中で、実家に帰って母に甘えられる関係ができたことは、嬉しい変化だ。