よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

いわれのない夫との別れの予感を、お腹の子どもが癒してくれる

 妊娠18週。妊婦は情緒不安定になるのだろうか。安定期に入っていても。今夜はさっき突然、不安なのか悲しみなのか、目の前の世界が遠くなるような感情に襲われた。きっかけもなく、家で夫と夕飯のキムチ鍋を食べ終わった直後に。その気持ちに強いて理由をつけるとしたら、目の前にいる今日も仲良く過ごせた夫と、いつまでもこうしていられるだろうかという心配だった。私の両親は離婚しているし、世間を見渡しても、なかなかずっと仲睦まじい夫婦というのは見当たらない気がしてしまう。

 夫は穏やかで優しいところのある人で、そんな私の訳も分からない憂鬱に、「大丈夫だよ、何も心配いらないよ」と何度でも言ってくれた。途中から、スマホでオンラインゲームをやりながら。そのいい加減さが、不安定な私とうまくやっていく秘訣なのかもしれない。夫の元カノは美人で、これまで付き合ってきた女の人達にもきれいな人がいたようで、私は時々、自信がなくなる。でも、そんな彼と私だから、結婚まで漕ぎ着けたのかもしれない。そして、夏に二人の子どもが生まれて、家族になる。産まれる前から子どもに役目を負わせてはいけないけれど、子どものいない夫婦もいるけれど、血の繋がりもなくいつでも別れられる私たちを、子どもが消えない絆で結び付けてくれる気がする。