夕食後、たっちゃん(2歳)が盛んに口を指で指して、それから台所にいっしょに行こうと言う。食事の終わりにウンチして、おむつ替えした後に、まだ食べたいの? お腹いっぱいじゃないのかしら。
違う、このサインは、歯みがきだ! お母さんは遅ればせながら気づき、感動する。覚えてたのね、次は歯みがきだって。いつも食後に歯みがきするもんね。台所に歯ブラシ置いてあって、水道の水で濡らすのを自分でやるんだもんね。
この間までただの赤ちゃんだったのに、すごいね。記憶力がついただけじゃない。まず、食後に歯みがき、という条件を覚えたこと。歯みがきするのは時間で決まってるわけじゃない、食事の後である、ということに、どうやって気づいだんだろう。毎日の繰り返しから類推するの?すごいねえ、人間の赤ちゃんの発達って。
でも、たっちゃんは歯みがきが嫌いである。気づいても言わなければいいのに、そこに思い至るほど大人ではないのね。それとも、嫌いな歯みがきをするはめになっても、「僕、歯みがきするの覚えたよ! お母さん忘れてるでしょ」と自慢したかったのか。
人間を育てるって難しく考えちゃうけど、こうやって人間になっていってくれるのね。たっちゃんの将来が楽しみだ、元気で育ってね。