母親と喧嘩した。理由は忘れた、というか、いくらでもある。
夫との生活から飛び出してきた、私と1歳のたっちゃんを受け入れてくれた母親。私が結婚して実家を出るまでは、口喧嘩が絶えなかった母親。仲良くやっていけるとは、はじめから思っていなかった。それでもたっちゃんの生活を守るために、私はそれを選んだ。
夜中に起きてしまったたっちゃんを、母が寝かしつけてくれてる声を聞きながら、うとうとしていたことがある。夫と別居して実家に戻った直後は、まだ産後の体でもあり(出産直後から子どものこと夫のこと色々あって自分の体は後回しだった)、私は心身ともに疲労困憊だった。母がたっちゃんに朝ごはんを作って食べさせてくれて、二人の食卓の会話を聞きながら、私は寝ていたこともある。
母と私、いろいろあった。父と兄の不仲、そして母と父の不仲。私の発達の偏り、社会への不適応。母と私は身を寄せ合って生きてきたようでもあり、割り切った母子関係の中で、お互いに大人げなく、背負うものを投げつけあってきたようでもあった。
たっちゃんを連れて帰ってきてから、バアバは「たっちゃんはすごいね、お母さんを変えたね」と言うようになった。私だけでなく、私と母の関係も変わった。感謝と信頼、それが全て。たっちゃんのためにみんながいて、みんなはたっちゃんのために存在した、そう思わざるを得ない。