積み木を鍋に入れて、木べらでかき混ぜている。「大丈夫か、たっちゃん」とでも言いたくなるシュールな光景だけど、本人はいたって真面目。2歳児としては正常な発達なのかもしれないけど、初心者お母さんには、どうも違和感。
それでもそのうち、三角が蒟蒻で、丸が大根の輪切りで、長細い四角が練り物で、おでん鍋に見えてきた。たっちゃんにも何かそのように見えて、料理の真似事をしてるなら、ままごと遊びお上手だ。でも、ただ感触や音を楽しんでるようにしか見えないんだけど。私の偏見かしら。
そのうち、鍋とザルとで、積み木の入れ替えを延々やり出した。ザルはお気に入りで、とうとう本人のおもちゃになった元台所用品。でも鍋はあげれないよ、数足りなくなるから。
発達途上の子どもは底知れない不思議さんだ。何を考えているんだろうな。ぼんやりと詮索しながら、ただただ見守っている。この子の行く末を。それが私の運命だと感じる。この子をどうにかすることではなくて。たとえ障害児でも、この子の幸せは、この子が作るもの。