よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

脳障害児も発達させるという、ドーマン法を知っていますか。

 素晴らしい療法なのか、はたまた高度な情報リテラシーを要求する危険物なのか。

 「脳障害」をもつ子の発達を謳うドーマン法。その実際を知る中心的な書籍として、グレンドーマン、人間能力開発研究所「親こそ最良の医師」がある。

 

親こそ最良の医師 (gentle revolution)

親こそ最良の医師 (gentle revolution)

 

  親は希望を持っていいということ、諦めずに問題に取り組む支援者がいるということ。本書が明らかにするそれらの点に、異論はない。
 しかし、ドーマン法の学問的基礎は、現代の脳神経科学の標準とは異なっている。本書も、人間能力開発研究所も、その点については認めていないようだ。
 本書を読む少なからずの人は、子どもの健やかな発達を願う親や教育者だろう。理念はともかく、科学性について検討し、具体的内容を取捨選択するだけの事前知識や、それに支えられた冷静な判断力を備えている読者が、全てではないと思う。そこに危険性を感じる。柔軟だが脆弱な子どもが本書で紹介される実践の対象となるだけに、「読みたい人はどうぞ」とだけで、親心の前に「希望の書」を晒してはいけないのではないだろうか。
 あくまでカウンターカルチャーとして、注意深く扱えば、存在価値があると思う。

 

 各論的な本も各種出版されており、読破したので、次回ご紹介したいと思います。情報共有により、障害児の親の睡眠時間を増やすために。私は眠たがりなんです。