毎日が楽しい。道を歩くだけで、赤い郵便局の車や、ゴミ収集車に出会えたりする。踏切に行けば、カンカンカンと遮断機が降りて、ガタンゴトンと電車がやってくる。楽しいことが、あちこちにある。
別に、趣味が変わったわけではない。好きな人が好きなものは好き、というだけ。ニャタが2歳になり、興味が広がってきた。ニャタの世界が広がり、ニャタの世界の住人である私の世界も広がる。
どうして自分の子どもは可愛いんだろう。遺伝子?ホルモン?母性?刷り込み?頼られるから?絶対的に信頼されるから?相思相愛だから?私の遺伝子を後世に残さないニャタが可愛いんだから、遺伝子の狂い咲きみたいなものか。
お母さんも自分の世界を持たないといけないのかな。ニャタに乗っかり過ぎて重いかな。何ならニャタは先に死んじゃうかもしれない子だし。
でも今だけ、この甘い関係に溺れていたい。柔らかく暖かいニャタをギューッと抱きしめて、ちょっと嫌そうな声を出されてニヤニヤしていたい。そうだなあ、ニャタが自動車や電車に興味を示さなくなるまでかなあ。それまではいっしょに、ブーブーやガタンゴトンを興奮気味に楽しんでいたい。