スペシャルニーズの日々

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話題になりそうでならない話

 「リハビリの夜」という、熊谷晋一郎先生の著書。世間はこれを、官能的というのかもしれない。

リハビリの夜 (シリーズ ケアをひらく)

 脳性麻痺のある著者が、リハビリを経験しながら成長する。そのリハビリは、振り返って批判の対象になっている。成長した後には、一人暮らしをしたり小児科医になったり、更には東大にラボを持つ研究者にまでなっている。しかし、社会的な活動ではなく、生身の人間としての日常が切り口である。
 興味深い内容と、評価の高い著者。しかし、私には合わない本だった。特に排泄や性の話など、生理的に合わなかった。特にこの文脈で、これらの話題を良しとしないのはタブーかもしれないが、何かがおかしいと私の感覚が告げていた。結局、語るべきテーマとそうでないことの区別がなされないまま、強いメッセージ性とともに主張されていることに、私はついていけなかったんだと思う。

 

 「発達障害当事者研究」の著者である綾屋紗月さんと熊谷晋一郎先生は、パートナーだそうな。

発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい (シリーズ ケアをひらく)

 発達障害とか当事者研究とか、受けそうなキーワードを背負って、人気のシリーズから出版されているけど。素材そのままという感じで、読むべき、昇華された学術的意義というのを感じられなかった。これが発達障害の当事者研究であって、私に理解がなく従来の価値観を引きずっており、これこそがカウンターパートなのだというのなら、尻尾を巻いて引きこもりたい。発達障害の当事者を批判できる風潮でもないし。
 自分にない辛さを持つ人の訴えを受け入れられないのか、自分と似た辛さを持つ人の訴えを受け止めきれないのか。読後感が良くなかった。

 

 今すごく流行りそうな分野で、実際知る人ぞ知る領域みたいだけど、今一つ浸透していないのは、こういうことなのだろか。なんだろうな、プロデュースの問題なのかな。