よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

どうして、てんかん患者を雇わないの?

 「あなたが倒れて、周りの人に怪我をさせたらどうするんですか?」

これが、複数のてんかん患者が、複数の採用面接で言われたこと。職場は、教育現場で周りに生徒がいるとか、オフィスビルの清掃業務とか。別に、高所で人間ドミノをするとか、凶器を持ってひしめき合っているとかでもない。

 言ってやりたい。

「じゃああなたは、一生絶対に倒れないんですかね?」

「どうしてあなたは、横にいる人が発作を起こした時、助けもせず逃げもせず、ただ共倒れになるんですか?」

そういうことを。でも、 採用面接に臨むてんかん患者さんたちはそう言えないだろう。弱い立場だし。傷つくだろう。発作を起こした自分の心配はしないんですね、もちろんそうですよね、なんて思っちゃうのかなあ。

  てんかんにも色々な種類があるとか、患者さんの状態にも色々あるとか、そういうこともあるけど。何かルールが欲しいと思う。発作がコントロールされたてんかん患者を就職差別しちゃいけないという明文化とか。

 車の運転が危ないのは分かる。車は走る凶器だと、自動車会社の人が本音を言っていた。事故の情報も多く集まるだろうし。でも営利企業だから、インフラ整備やイメージ戦略や、何でも駆使して売るんだろうけど。自動車なんて、運転しても大丈夫な人の方が、本当はもっともっと少ないんだ。自動運転の死亡事故も起きてしまって、今こそ見直す時なんだと思うし。

 高齢になって、症候性てんかんと診断される人も増えている。ある人は、涙を流していた。若い頃、働いていた頃、悪いことをしてしまったと。上司の指示に従って、心を痛めながらも、てんかんと分かった人を辞めさせたと。今それを、改めて悔いると。

 経験や能力など、他の条件が同じなら、てんかんと診断されていない人の方を雇いたいのが、合理的な経営者の本音と認められるだろうか。想像してみて欲しい。例えば、ここで特定の疾患名を出すと差別につながってしまうけど、とても一般的な病気(単に高齢であることも含めて)の組み合わせで、運転中だったら事故になる発作を起こす確率をチャートにした資料を見たことがある。遺伝子情報を基に健康リスクを予想して、それを就活の資料にすることだって技術的にはできるようになるのだ。こんな発想を突き詰めていくと、自分の首を絞めることにもなりかねないのだ。

 人の可能性を潰すのは、やめましょう。こんな世の中を放置するのも、やめましょう。どうしたらいいのか、考えている。

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