よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

夫の不在で息をつく

 道を歩いていて、息が苦しくなる。仕事をしていても、やっぱり息が苦しくなる。そんなことが無くなったのは、夜中の授乳が終わったからかな。過労かストレス、あるいはその両方が原因だったんだと思う。肺や心臓の持病もないし、どうせ病院に行っても検査は正常で、安定剤でも出されるのかなと思って行かなかった。

 息苦しいのが比喩ではなくて、本当に呼吸がはあはあしていた。どうしてだろうと思いながら、脳の仕組みの研究をみた。海馬という、記憶の中枢がある。扁桃体という、情動に関わる脳部位もある。その、海馬と扁桃体が、呼吸の調節にも関わっているのだそうだ(Neurology 2017;88:701-705)。

 PTSDのフラッシュバックみたいに、夫との生活の記憶が、まだ忘れらない感情が、私の脳の中に渦巻いている。慣れない赤ちゃんのお世話に翻弄されながら、仕事を抱えて産後の体はぼろぼろで、夫は怒りだし、そんな夫を怒らせない言い方を選ぶなんて気力は残ってないよ…思い出しても息が苦しくなってくる。

 息が苦しくなる生活、それは不正解だ。誰がどうというのはともかく、結果として不正解だ。今は正解なのかな。元気な子ども、ようやく一息ついた私の生活。そこに子どもの父親はいなくても。