実録東京生活

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胃ろうのある生活を10年くらい見てきて、知っていること

 胃ろうを作るかどうか、迷っている家族がいる。考えても結論が出ない、なぜなら胃ろうのある生活を見たことがないから、と聞いてなるほどと思った。

 胃ろうには種類がある。と言っても、胃ろう自体の種類ではなく、作る状況の違いを説明したい。多くの場合は、高齢者で治らない病気があって、口から食べられなくなって作る胃ろうだ。そうではない場合というのは、口や喉に限局した病気や障害で、仕事もできる脳や体、走れる足などを持っている若い人とか。治る病気の改善まで、一時的に使う胃ろうとか。多くの場合の時、作るか作らないか選択の余地がある。

 胃ろうのある生活に関して、時々知られていないことを羅列しておく。

・胃ろうがあっても口から飲食して構わない。もし経口摂取だけでよくなれば、胃ろうの使用はおしまいになるし、そうするとお腹の穴もふさがる。

・胃ろうから収入する栄養剤には、エンシュアやラコールみたいな処方箋薬扱いのもの(=医療保険が適応になるので安い)と、食品としてネットとかで買うものがある。一昔前は、誤嚥や下痢をしにくい半固形タイプは食品タイプしかなかったけど、今は処方箋で出るものにもある。

・胃ろうから、ジュースやミキサーにかけた食事なども入れられる。胃ろうが詰まらない形状で、本人の病状で大丈夫なら。大酒のみで喉頭がんになった人が、喉の手術をして、胃ろうから自分でアルコールを流したという伝説もある。胃には味のセンサーがごくわずかにあるだけだが、匂いが上がっていくので、胃ろうから入れたものの風味を楽しめる。

・胃ろうがあっても、湯船につかってよい。

・誤嚥や下痢をしにくい人なら、朝晩の2回食にすることもできる(介護者の都合がよいように)。

 逆に、胃ろうを作らなかった場合にどうなるのかも知らなければ、選択が難しいよなあとも思う。認知症の高齢者で、口から食べにくくなってきても胃ろうを作らないで、それでも餓死みたいなことにはならずに老衰というかあまり苦しむ様子もなく亡くなっていく人たちを見てきたことはある。