スペシャルニーズの日々

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薬を飲むのが怖い

 小さな薬の粒が、全身に影響を及ぼすこと。改めて想いを馳せると、うまく信じられない。よく、薬の有効成分をカギに、体の組織をカギ穴に喩えた広告をみかけるけど、あれは説得力がある。でも、本当は違うんだ。比喩を持ち出す時点で、何かしらの嘘が入り込む。実際にはカギとカギ穴じゃないんだから。あんな小さな錠剤やカプセルが、胃腸で溶けて吸収され血流に乗って全身に回るとはいえ、鎮痛剤なり抗がん剤なり、どうして大きな塊である肉体を変え得るんだろう?うっかり変なもの飲んだら、そしてうっかり飲み込んでしまうような小さな物でも、全身に効くなんて、怖くて何にも口に入れたくなくなる。

 実は、偽薬もかなりの効果を出せるのが、人間という生き物だ。その証拠に、治験では実薬を使う患者と偽薬を使う患者の比較をして、プラセボ効果を差っ引かなければいけない。それでも、プラセボ効果をはっきりと超えた薬効が得られるのだから不思議だし凄い。胃で溶けて粘膜を守るとか、小腸大腸でも吸収されずに便秘を調整する薬ならまだわかるけど。消化吸収されて、血液の中に溶け込んで、それが体のどこかで機能するなんて、薬ってどんだけ凄いんだろう。

 口に入れるものがこんなに身体に影響を及ぼすなら、飲食物にももっと気をつけなきゃいけない。食事は薬に比べて、量も多いし、毎日何十年と続けることだし。とは言っても、コンビニ飯を買ってきて座って食べる時間さえあるかないかの生活。自炊なんて夢のまた夢。高級レストランも夢のまた夢。そして結局、病気になって、薬のお世話になるしかないんだな。よくできた話だ。