よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

兄の子育て

 ニャタがジグソーパズル2箱を床に出して、仕舞う時に1つの箱に入れようとして悪戦苦闘している。ニャタの視界から外れているもう1つの空き箱を示しながら、「ほらこっちの分まではそっちに入らないよ」と教えたら、大きな口を開けて昭和の安い芝居みたいに「ガーン!」の顔をする。それから人差し指をこめかみにあて、にっこりと首をかしげる。まだ上手くしゃべれないニャタの代わりに私が、「かんちがい」とニャタのサインを読み上げてあげる。

 どうしてコミカルにオーバーアクションの子に育ったんだろうと思うと、私やバアバがそうしてきたからだ。でも、赤ちゃんだったニャタに分かりやすいようにであって、ニャタをオーバーアクションに育てたかったわけではない。

 それから、例えばニャタが歯磨きを嫌がったときに、私がぬいぐるみから順番に抱き寄せて歯を磨くふりをしてあげると、「はいニャタの番!」ですんなりと出来たりする(出来なかったりもする)。

 ニャタも私も喜劇的。この空間に覚えがあると思ったら、小さい頃に年の離れた兄が私にしてくれていた様子と似ている。お互い大人になって、あの頃のような楽しさが無くなってしまったなと思っていたけど、はじめから兄は作為的だったのかもしれないな。というかそうだったことに、今更気づいた。だから、永遠に続くことでは無かったんだな。

 ニャタの最終的な精神年齢は、4歳とか8歳とか予想されている。私たちの喜劇は永遠に終わらない。

 

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