よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

他人の気持ちを考えられるようにする

 療育などで他人の存在に気づき始めたらしいニャタ3歳半。お友達は自閉症がある子が多いようで、一方的なコミュニケーションだったりするんだけど、それでも子ども達が近くに寄って何やかや交流している様子は微笑ましい。会話もなく、視線も合わないんだけど、オモチャのやり取りをしたりとかね。

 昨日は、お友達が手に持っているオモチャを突然無言で奪い取ろうとしたニャタ。お友達の気持ちというのも、教えてあげなきゃいけないな。それから、先生が絵本を渡してくれて、読み終わって先生に返そうとしたのは偉いんだけど、その時に隣の人が先生ではなくて他の子のお母さんであることに気づいて、差し出した本をぱっと引っ込めて先生を探しに行ってしまった。残されたお母さんは笑いながら「私じゃないのね」と言ってくれたけど、これも相手の気持ちを考えて行動するように教えなきゃいけないな。

 と思っていたら、今朝はお母さんを見送っていて、バイバイをそばを通ったおじさんにわざと一生懸命にする。「ニャタ違うよ、お母さんにバイバイしてよ」なんて言おうものなら、嬉しそうにいっそう知らないおじさんに向けてバイバイするのだ。大人が面白がる様子を見て、学習された行動だと思うのだけど、ずいぶん高度なおちゃらけもしてくれるものだ。

 こうして私が教えることが、私の言動が、ニャタの反応を形作り、それを他人が評価するのかと思うと、また新しく責任を感じる。何とかここまで生き延びてきて、ここまでもニャタの心を大切にしてきたつもりだけど、ニャタには人を愛し愛される人になって欲しいから。

心を探して―ブルーナー自伝