よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体ニャタは育っています

今日の天気に合った服装の青年と、太鼓を叩く少年

 蒸し暑い小雨の東京は、今日から7月。しばらく続きそうだけど、先週の天気は移り変わりが激しかった。一昨日は、しっかりした雨粒で、肌寒いくらいだった。その前の日は、夏の暑さだった。

 一昨日、仕事で、知的障害のある青年と話をした。何回かお会いしたことのある方で、事務手続きの間に「今日は寒いですね」と話しかけてくれた。その一言が何だか嬉しくて、ささやかながらリラックスした関係に感じて、「間違って半袖で来ちゃいました、昨日は暑かったから」とお答えした。

 「え!? 今日は長袖ですよ」。しっかりとカーディガンを羽織った彼は、信じられないと言う様子で、そう言った。急に、私たちの間に溝ができた。そうですよね。今日半袖はおかしいですよね、確かに来るとき鳥肌が立つくらい寒かった。私はどうも昔からそういうことが苦手で、衣服を小まめに調節するのが面倒で、だいたい毎日同じような格好をしては、暑さ寒さに悩まされるのだ。

 彼の「知的レベル」では一般就労ができなくて、作業所も人間関係で辞めている。私は資格を活かして働いている。でも、その日の帰り道、快適なのはどっちなんだろう。

 就労というかお金というか、稼ぐことというか税金を納めることというか、そういうことに少しこだわり過ぎな社会な気がする。他にも「将来、両親からの援助が受けられなくなったらどうしよう」と悩んでいる、10代・20代の、この社会でガツガツと働けない人やその親を、複数知っている。もう少し、今日を、昨日と明日を、楽しめればいいのにと思う。個人の心持ちではなくて、社会の仕組みとして。

 ニャタは今日も、太鼓を叩いて何やら呪文のように歌っている。療育の場として、身辺自立を促したり、就労に向けた取り組みに力を入れている所ではなく、ニャタのそういった時間や気持ちを大切にしてくれる居場所を見つけて、用意してあげられる目途がついた。その先は見えないけれど。私が早死にしたらごめんねだけど。

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