ニャタが喋るようになって、「なるほどそう思ってたのか」と分かることが、ある。寝かしつけの時、私はニャタの隣で寝たふりをしている。時々、ニャタは自分の頭を、私のお腹や太ももの上に載せに来る。そんな時、「オヒザー」と言う。私が普段、「お膝においで」「お膝にどうぞ」とニャタを膝に載せているから、自分が私に載る=お膝、と認識しているようだ。一方で、「膝ってどこ?」と聞けば膝を指すし、「ここは何て言うの?」と聞けば「ヒザ―」と言うし、太ももやお腹に関しても(「太もも」と発語することはまだ出来ないけど)、同じように分かっている。ニャタが手探りで構築している歪な世界が、私にはとても可愛らしく思える。
数日前からは私の真似をして、お風呂上りに私をタオルで拭いてくれようとする。その真剣な顔(目を見開き、口が開いて舌が出る)、私の肌を撫でるような弱々しさが、とても大事だ。「どうもありがとう、助かったし嬉しかったよ」と大袈裟に感謝を述べると、自慢でしょうがないという風に顔を赤らめる。
足が大きくなったので、新しいスニーカーを買ってあげたら、今夜はそれを履いて寝てしまった。脱がそうとしても怒るので、眠りに落ちてからそっと脱がしたら、足が熱々になってしまっていた。