よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

片言

 子どもはただ真っ直ぐなのに(そうでもないけど)、私という大人は子どもの言動にあれこれと色をつけて、一喜一憂する。

 歯医者さんから帰ってきたニャタは、早速、再現ドラマで復習。

「マスク、とって」

と要求するので、アンパンマンのマスクを出してきて耳にかけてあげる。

「ごろんちて」

どうも私は、患者らしい。

「あーんちて」

言い方は可愛らしいけど、口の中に何か突っ込まれたり引っ張られたりしたらどうしようと、ドキドキ。でも、目を皿のようにして虫歯チェックと、歯を磨く真似をするだけだったので一安心。

「立って」

と、ニャタ語で起き上がることを指示される。終わったらしい。

「先生、ありがとうございます」

とお礼申し上げると、急にドスの効いた声で

「どれか?」

と、両手を差し出してくる笑。帰りにもらえるシールを選んでいいらしい。それにしても、言い方が唐突。

 ニャタは一生懸命しゃべってるだけなのに、それを私が、可愛い言い方とかそうじゃないとか、誰の真似なんだろうとか、色々思う。正しい言い方とか、進歩したなとか、これは直さなきゃとか。

 

「ワンワン、ふさふさ、デジャビー」

と、散歩中の子犬を見かけて喜んでいる。快感を表す造語のデジャビーは、そのうち消えるのだろうか。

 

 いつまでもこうして、変わっていくニャタを見守っていられたらいいのにな。