子どもはただ真っ直ぐなのに(そうでもないけど)、私という大人は子どもの言動にあれこれと色をつけて、一喜一憂する。
歯医者さんから帰ってきたニャタは、早速、再現ドラマで復習。
「マスク、とって」
と要求するので、アンパンマンのマスクを出してきて耳にかけてあげる。
「ごろんちて」
どうも私は、患者らしい。
「あーんちて」
言い方は可愛らしいけど、口の中に何か突っ込まれたり引っ張られたりしたらどうしようと、ドキドキ。でも、目を皿のようにして虫歯チェックと、歯を磨く真似をするだけだったので一安心。
「立って」
と、ニャタ語で起き上がることを指示される。終わったらしい。
「先生、ありがとうございます」
とお礼申し上げると、急にドスの効いた声で
「どれか?」
と、両手を差し出してくる笑。帰りにもらえるシールを選んでいいらしい。それにしても、言い方が唐突。
ニャタは一生懸命しゃべってるだけなのに、それを私が、可愛い言い方とかそうじゃないとか、誰の真似なんだろうとか、色々思う。正しい言い方とか、進歩したなとか、これは直さなきゃとか。
「ワンワン、ふさふさ、デジャビー」
と、散歩中の子犬を見かけて喜んでいる。快感を表す造語のデジャビーは、そのうち消えるのだろうか。
いつまでもこうして、変わっていくニャタを見守っていられたらいいのにな。