よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

最近のニャタ語(文法編)

 例えば、寝っ転がって「起こして」と言うべきところを「起きて」と言う。ニャタがよく喋るようになって、そういう間違いがはっきりしてきた。後はコウモリがコンモリになったり、やたら「ん」が入ってくる。

 私やバアバや先生方や、ニャタを囲む大体の大人はニャタが言いたいことが分かる。行き帰りで声をかけてくれるお友達のお母さん達も。唯一最大に、どうもASDの特徴を若い時から示してきたジイジだけに、不思議なくらい伝わらない。

 ニャタが転がって、ジイジにもそうするように言って、しばらくじゃれあい、そしてニャタが「起きて」と言う。ジイジが起き上がる。ニャタだけ転がったまま残される。ニャタが手を伸ばして「起きて」という。そしてジイジと周りの空気は固まる。いやいや、この状況で?

 ご飯を食べること、排泄をすること、言葉を使うこと、そういった個人の能力と思われがちなことが、相手との関係や環境に左右されるものだというのは、よくいわれているけど、こういうことかと実感する。ニャタに正確に喋れるようになって欲しいと思うより、分かってくれる周りの人に囲まれていて欲しいと思ってしまうのは、良くない母心なんだろうか。