「この子、声を上げて笑うわね」と、バアバが言った。ニャタの時もそうだったし、ニャトはそうならないように注意していたけど、やはりバアバに先を越された。そう言うと、「あら悪かったわね」と、若干の後悔と隠しきれないプライドが、バアバの言葉に透けて見えた。
バアバは何か単純な言葉をかけながら、ニコニコとニャトをあやしていた。その数日前に、ジイジの顔を見たニャタは笑顔で声を出していて、ジイジは笑い声と言っていたけど、私にはあまりそうは聞こえなかった。けれど、ニャトが、眼鏡をかけたジイジの顔を面白がっているとは思った。私もあやしてみようと思っているけど、なかなか慣れないし、私の心身も万全ではない中で、ニャトを前に固まってしまいがちになっていた。
今朝、ニャトの湿疹に薬を塗り直すので、頭をホットタオルで拭きながら「シャカシャカシャカ」と言いながら顔を近づけて最後はキスをする、というのを繰り返した。すると、ニャトは声を上げて笑った。確かに、何度も笑った。
でも、ぎこちない笑い声だった。これから私は、ニャトが上手に笑うようになるように、いっぱい一緒に笑っていくんだ。