ふと見たら、ニコニコしてピチャピチャ叩いていた。ニコニコで良いけど、何だかやたらニコニコだな。っていうか、ピチャピチャ?
目を離したつもりはないけど、コップをひっくり返して、溢れた水を手でピチャピチャ遊んでいた。やるな、ニャト。やってくれるな。
「タオルを持ってきてくれる?」同時に気づいたニャタに頼んだ。つかまり立ちを始めたばかりのニャトを支えて待っていたら、「これでいい?」と、わざわざ来客用の小さなハンドタオルを持ってきた。いつも、古くなったフェイスタオルかバスタオルを、こういう時は使っているのに。ニャタは最近、どこまで分かっているのか、どれだけ反抗しているのか、変な言動ばかりだ。
そんなニャタとニャトを抱えて、私も大概やり過ごすことにしている。「ありがとう」とニャタに言う。ニャタは張り切って拭いて、濡れたタオルをそこに置いて乾かすと言う。それではまたニャトの餌食になるからと説明して、洗濯カゴに持って行ってもらった。
気が付けば、我が家の中心にニャトがいる。せっかく生まれてきたんだから、大事にしてあげないとね。良い意味でも悪い意味でも、ずっと私にとって主役だと思っていたニャタは、良い意味でも悪い意味でも、主役から脇役へと変わってきた。あまり注目しない方が、上手くいくこともあるかもしれないね。
夏休み明けニャタが登校し、ニャトと私はずいぶん長い昼寝をした。だってニャタは日中ずっとしゃべってるし、早起きなんだもん。やっぱり主役は譲らないのかな。