よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

それでも生きていかなきゃだから

 ようやく少し浮上してきた。産後うつと言われて、本当に長く辛い道のり。もはや産後ではないし。ニャトは2歳半になって、だいぶ人間らしくなった。ニャタは優しいお兄さんになった。なのになぜ、私ばかりがずっと元気でないのか。もはや謎。

 季節は勝手に移り変わっていく。子どもたちの洋服も、気候に合わせ、またサイズもどんどん変えなきゃいけない。今の私の頭では回り切らない。幸い、バアバが手伝ってくれるけど、いつまで元気でいてくれるのだろう。食事の準備も、私と子ども二人とそれぞれ違う物を食べている。摂食、嚥下に個性があるニャタと、偏食でまだ2歳のニャト。子どもの残り物を食べていたら体を壊して、こりゃいかんと思った私。そもそも、元々の私だって、自分を含めてこの3人の世話なんて出来ないかもしれない。一人暮らしだって、料理も掃除も覚束なかったのだから。

 それでも生きていかなきゃいけない。子どもたちにベストのことはできなくても、できるだけのことをやってあげたい。ニャタとニャトがボールを転がし合って遊ぶ。夜中に目覚めるニャトにニャタが寄り添い、ニャトが私無しでも再び眠りにつく。私に怒られたニャトが、「ニャタくーん」と兄を求める。「母さんに『ごめんね』って言って」と、ニャタがニャトを導く。この兄弟が、私を生かしてくれる。