よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

ミニマリストに目覚める

 ニャタが、アンパンマンを指して「パ!」、バイキンマンを指して「バ!」と言うようになった。確かに、用は足りる。家族にしか理解されないけれど、今のところ未就学で保育園にも行っていないニャタは、母親である私を含めて数人と意思疎通ができれば良い。確か平仮名は50音くらいだから、50個くらいしか言葉を使えないことになるけど、逆にそんなにたくさんの言葉はニャタに必要ない。寝て起きて遊んで食べて排泄してのシンプルな生活。かけて欲しい音楽の曲名を指定するのに、何十曲もレパートリーをもつニャタは、振りの一部くらいでこなす。「ぞうさん」なら象の真似、「糸巻き」なら両手をくるくるする。

 それでもニャタはいつだってニコニコしていて、ときどき思いっきり泣いて、幸せに充実した毎日を過ごしている。もちろん、この生活は私たちに守られた束の間だ。だけど、私たち大人だって、私たち健常者だって、一寸先は闇だ。事件事故病気。とても自分の身を守りきれない。非力なニャタの方が、確率的には危険なんだろうけど、でも負っているリスクの確率よりも、昨日と今日をニコニコ暮らすことの方が大切ではないだろうか?

 ということで、私はニャタを見習いたいと思う。仕事で誰がどう言ったとか、自分の実績がどうとか、自分の生活を誰と比べてどうとか、よく考えたら気にしない方が毎日の幸せ感があるなあ。「パ!」とか「バ!」が描かれた三輪車を押して、修行しよう。

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