よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

妊婦だけど残業してる

 妊婦に深夜労働は良くないと言うけれど、なかなか急に働き方を変えることも難しいと思う。

 夜遅くになって、夕飯は済ませていたけどまたお腹が空いて、休憩室で煎餅をぼりぼり食べてた。隣の部署の、何回か女子会をしたことがある人が入ってきた。目ざとく、

「珍しいね、そんな食べてるの」

実は妊娠3か月で、お腹が空いて、って言ったら、

「え!帰んなきゃだよ」

って言ってくれた。なんとなく苦手意識を持っていた人だったし、(たぶん)独身で妊娠したこともない人だから、こんな図星のことを言ってくれるとは思わなかった。

 でもみんなに迷惑かけたくないし…でも良くないとは思ってるんだけど…と煮え切らない私に、

「先輩の話だけど、妊娠して残業なしにしてくださいって上司に言いに行って、でもできるだけでいいから頑張ってって言われたんだって。忙しかったからその人も納得してやってたんだけど、結局流産しちゃって、しこりが残って辞めちゃったんだって」

と、衝撃的な、私の知らない話を教えてくれた。そうなんだ、残業が原因かはわからなくてもそれは嫌だなあと呟いた私に、

「うん、わかんないからやめといた方がいいよ」

 と本当に図星のことを言ってくれた。こんないい女性のことをちょっと避けていて、私の方がよっぽど付き合いづらい同性だった。

 妊婦から申請があれば、会社としては時間外労働を無くさなきゃいけないみたいだけど、実際に現場の空気を考えると、言いだしづらい。これが妊娠じゃなければ、産休だ育休だと絶対迷惑な働き方だと私自身が思うし、理由が妊娠だからってみんなが心の底から何とも思わずに一人だけ休ませてくれるとも正直思えない。だって、職場の人たちは、私に子どもが産まれて育っていく喜びを享受しないのだし。産院の先生も、今のところは生活に制限はありません、何をやっても良いですよなんて言ってくれた(お酒とかダメなのは当たり前で言わないのかな)。

 でももうちょっと、お腹の彼子ちゃんを大事にしてあげないといけないかな。お母さんが守ってあげなくてどうする。