アンパンマンチョコを、毎日買い食いしたがるニャト、1歳8か月くらい? 兄ニャタは、お菓子を一切食べない。弟がこんな風に育つと思わなくて、油断した。
ある日、バアバの家から帰る時。またニャトがコンビニに寄らないように、バアバが教え込んだ。
バアバ「消防署、見る。クレーン車、見る。アンパンマンチョコ、バイバイ」
(何回もの繰り返し、省略)
バアバ「消防署」
ニャト「見る」
バアバ「クレーン車」
ニャト「見る」
バアバ「アンパンマンチョコ」
ニャト「バイバイ」
バアバ「よし! 帰りなさい」
帰り道、案の定「アンパンマンチョコ、買う」と騒ぎ出したニャト。しかし、「バアバとバイバイの約束したでしょ」と私が言ったら、分かったのだろうか。とにかく、コンビニに寄らなくても、癇癪は起こさずに帰れた。
翌日、散歩に出かける時。おもむろにニャタが、
「ニャトちゃん。消防署、見る。クレーン車、見る。アンパンマンチョコ?」
と、問うた。
「こんばんは」
と、これがニャトの答えだった。ニャトは、「おはよう」「こんにちは」はまだ言えないのに、「こんばんは」だけ発語できる。「アンパンマンチョコ、バイバイ」の「バイバイ」は、ニャトにとってはただの挨拶だったらしい。