わけのわからないことがありすぎて、本当にわからなくなっていた。結局、ニャタもニャトも手がかかるので、大変だったのだと思う。そして、そこから逃げ出した人もいたのだと思う。私は残って、失敗しながら、迷惑をかけながら、恥をかきながら、でも残ったのは、なぜだかわからない。わからないけど、当然だと思う。ニャタとニャトがいるのだから。
ニャタはひょうきんで誰に似たのかと思ったけど、ニャトもひょうきんだから、私に似たんだな。私がひょうきんなんて言われたこともなく思ってもみなかったけど。二人の父親はそれぞれに消えていって(私に追い出されたくらいに思っているのかもわからないけど)、二人それぞれに障害だったり非定型だったり、そんな状況で親切な人が親切にしてくれて、その親切が本当にありがたくて。
ニャタが壁に手をついてウンチをしていたら、ニャトが横に来て真似をして「ウーン」と言っていた。そんな兄弟。
ニャタには立派な人になってもらいたくて、ついつい注意しちゃう(挨拶しなさいとか、くしゃみは口に手をあててとか、袖で汚れを拭かない、とか)。ニャトは歩いて喋るようになり、ニャタが学校の時など2人で過ごすことがようやく気楽にできるようになってきた。私は、座って一食まるまる一気に食べたいとか、お風呂で十分に洗いたいとか、そういう贅沢を忘れてきた。
相棒ニャタと育てる、破天荒なニャト。こんな3人で生きていくことになるとは思ってもみなかったけど、新しい秩序に気を取り直して。