心を育てる

 人の気持ちを想像する能力って、どうやって得られるんだろう。相手に、自分と同じような心というものが宿っていること。自分が嬉しいことを、相手にもしてあげると良いこと。何もわからない赤ちゃんから、どうやってそれらのことを知るようになるんだろう。

 (たっちゃん改め)ニャタが、お気に入りのお人形を前に、踊っている。人形はポーちゃんと名付けている。踊りはたぶん、ドロップスの歌だ。ポロンポロンと涙がこぼれる様子や、ペロンペロンと飴を舐める動作をしている。毎日お母さんと向かい合って踊りあうのが、最近のニャタは大好き。それを、ポーちゃんにもしてあげているんだ。

 生まれたての赤ちゃんから、2歳を過ぎる今日まで、もちろん毎日つぶさに見てきた。でも、わからなかった。いつの間に、ニャタの中に、こんな心が生まれ育っていたのだろう。そして、いつどうして私たちは、このような心を失うのだろう。自分がして欲しいことを相手にもしてあげる。自分がして欲しくないことはしない。それだけのことが、できない私たち。利害が一致しないだけではない。お互いに傷つけあうだけのことを、私たちはしてしまう。気づかずに、それともわざと? 

 ポーちゃんの前で踊るニャタを眺めて飽きない。自分の子どもは可愛い。それだけ。