よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

自分の子どもだからと言って、可愛いとは限らない。

 私は自分の子どもが好きだ。そして、そうでない人もいるだろうなと思う。私の子どもは障害児で、これから親子でいろいろと苦労もするだろうから、何というか遠慮なく言っていいような気がするんだけど、とても可愛く感じられる。顔立ちも私の好みで、笑顔が可愛いのはみんなそうかもしれないけど、ぐずっている時の不細工顔がウケる。ほんとに不細工で憎めない。性格は大人しめで、大体いつもニコニコとご機嫌が良くて、体調が悪い時も元気がなくなるだけであまり機嫌悪くならない。私を笑わせようとしたり、精一杯お手伝いしてくれたり、本当に癒される。抱っこするには重くなった今でも、彼を抱きしめると私の方が幸せな気持ちになるから、つい抱っこしたくなる。

 私自身は、こんな子じゃなかったと思う。思い出せるのは、お風呂上りに体が乾くまですごくむず痒くて、水滴が痛いくらいで、早く拭いてくれとギャーギャー騒いでいたこと。出かけた帰りに寒くなったからとタイツをはくように言われて、毛玉がチクチクするから嫌だと散々ごねて突っぱねた挙句、素足に風がすごく冷たかったこと。いつも何かと戦っているような状態だったから、親へのサービス精神なんて微塵も持てなかった。しかも、口が立ったから、途中から母親に「あなたのしゃべり方が嫌いだ」みたいに言われだしたのも、自分が子供の時にはなんてひどいこと言う母親なんだろうとしか思ってなかったけど、自分も母親になってみると、まあ確かに私みたいなことを言ってくる娘は嫌かもしれないと同情する。

 自分の子どもがいまいち可愛いと思えない親って、ありだと思う。自分と子ども、自分と親のことを振り返って考えると。相性もあるし、しょうがないと思う。誰のせいでもなく。子どもだった自分からすると、そういう場合は、親子関係の外の世界を積極的に取り入れて欲しいと思う。親以外の人との交流があれば救われる。母親になった自分からすると、自分が産んだ子どもなんだから愛してくれなんて、無理な要求だと思う。自分の子どもであることと、その子を可愛がれるかどうかは、別問題だし、子ども側の素質にもよる。

 私の所には、どうしてこんなに私好みの子が生まれてきたのか、不思議だ。ちょうどこんな顔、こんな仕草の子が、私にとって一番可愛い子なんだから。