よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

叱れば泣くし

 いつもは私の方が、寝おきが悪い。ニャタが「かあかあ」と呼ぶ声で目を開けると、両手を挙げて「起きてー」とサインされるので、必死で起き上がる。起き上がるのが遅いと、前髪を掴まれたりするので。

 今朝は療育に出かけるので、いつもより30分ほど早く起きたかった。療育は前から行っているけど、朝食に1時間かかり着替えるのにも追いかけまわして30分ほどかかるニャタなので、出かけがバタバタになるから。

 幸いアラームと同時にさっと目覚めた私は、まずカーテンを開けた。そうしたら起こされたニャタの不機嫌なこと! 両手で目を覆って「眩しい」アピール。朝ごはんの支度をしようにも「でっこ」「でっこ」と言って抱っこをせがむ。

 ようやく食卓に着いたら今度は、食器を押しやる。偶然、押した食器が別の食器にあたったら、喜んで余計にやる。「やめなさい」「割れちゃうよ」と注意するそばから、奥の食器がテーブルから落ちそうになり、思わず「危ない!」と大きな声を出してしまった私。固まったニャタの顔は、見なくても分かる。四角く平らになって、涙と鼻水が垂れてきたに違いない。

 今度はニャタを抱き上げてあやし、起こったことの説明をして、涙を拭いてやる。生活を進行しながら、いたずらを注意し、ちょっと叱ろうものなら泣き出すニャタを宥め、まあなんと七面倒臭い毎日であることか。このへそ曲がりはいったい誰に似たのかしらって、小さい頃の私にそっくりだからしょうがない。自分のどうしようもない気持ちを何となく覚えている気がする。「(どうしようもない時に)足をバタバタする姿までどうして遺伝したのかしら」ってバアバは言うけど、別にみんなやってることだと思うし。

<育てられる者>から<育てる者>へ 関係発達の視点から (NHKブックス)

<育てられる者>から<育てる者>へ 関係発達の視点から (NHKブックス)