実録東京生活

この世界を楽しく生きていくために。

表象の獲得

 はじめて表象の世界に登場したのは、「キャベツーの、中かーら、」の手遊び歌を覚えて、両手を重ねてキャベツを表現したとき。0歳の半ばだったかな。夕方、私が仕事から帰ったら、たっちゃんが台所に置いたイスに座って、バアバが料理するのを見ていた。バアバが、「キャベツの歌、いっぱい歌ってあげたの? 今日、たっちゃんやってたよ」と言って、私が「え、ほんとに!」と思って、「キャベツ―の」と歌いだしたら、たっちゃんが手を合わせた。

 拍手パチパチはもうしていたけど、それはあくまでも動作の真似っこで、キャベツは、意味は分かってなかったかもしれないけど、サインとしてやっていると思った。

 それから、たくさんの手遊び歌ができるようになって、歌に合わせて踊るようになって、伝えたいことをオリジナルのベビーサインみたいな感じで表現できるようになっていった。それから、声を出して呼ぶことができるようになった時も、感動した。1歳過ぎてからだった。自分で音を出して、そのように使うということは、会話の始まりだと思った。それから、このあいだの発達検査での、「鼻はどこ?」「これ!」というやり取り。

 生まれた子が表象の世界にやってくるまでを、毎日いっしょに過ごして、むしろ私と彼だけの二人の世界も形成してやってきたけど、振り返って、不思議で新鮮な驚きでしかない。ピンカーにも子どもがいたのかな。たっちゃんが獲得した言語を強力な武器として、概念とそれを操作する世界に、彼を招き入れたい。