よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

2人と1人の生活

 出かけるときに靴を揃えてくれたり、帰ってきてぽんと置いたトートバッグから荷物を出して、片づけを手伝ってくれたり。私がちょっと頑張って何かをやって思わず「できたー」と言えば、お手々パチパチして褒めてくれたり。

 ニャタは優しい。こんなに優しくしてくれる人は、私にはニャタしかいない。彼が生まれて、数ヶ月かけて合併症や今後の可能性が見えてきて、「ああこの子は1歳になれないかもしれないな」と思った。それなのに、元気な3歳になった今、本当に感謝しかない。

 でもやっぱり、あんまりワガママみたいなのを言われると、こっちも声を荒げたり黙りこくったりしてしまう。先日は、お風呂でめちゃくちゃ泣き叫ばれて、虐待してるみたいだった。ニャタは、手桶に足から入ろうとして、湯舟みたいに入れないことが気に入らなかったんだ。何なら眠かったのもあって。「何考えてるんだか」っていつまでも冷静に見守っていられれば良かったけど、進行上の都合もあって、抱きかかえて退場した。

 たぶん私は育児が苦手な方で、あんまりグズグズ言われると、どうしていいか分からなくなってしまう。床に転がってクマみたいに死んだふりもしてみた。ニャタじゃなくて母親の私がね。床に転がってバタバタしているニャタの横に、私もごろんと横たわるという。

 昔から私と性格が合わないバアバは、たぶん育児が得意な方。いつもニャタを預かってくれる、というかむしろ、バアバとニャタの認識では、向こうがメインの養育者になっている。久しぶりにお出かけした時までも、せっせとニャタの洋服やおもちゃを物色してくるバアバ。有りがたいを通り越して、「すごいなー」と他人事のように思う。

 バアバに手伝ってもらって、ニャタを育てる。この生活がいつまでも続かないことは、目に見えている。バアバが病気したら…ニャタが病気したら…私とバアバとニャタ、誰が最初に病気になって、どんな順番で生き残るんだろう。一番のハッピーエンドは、私が二人を看取ることなの?まあ、それが願ってもない最高の最期なんだろうな。

 そんな殊勝なことを書きつつ、虎視眈々と、次の展開を考えています。

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