実録東京生活

この世界を楽しく生きていくために。

ABCとか芸能界の可愛い女の子とか、ディズニーとかセブンとか。

 いま目の前にある世界、これまでもこれからもずっと変わらないように無意識のうちに信じている世界が、どんどん移り変わっていくものだということを、子どもに伝えたい。このままの言葉で言っても、子どもの言語能力が育ってからわかりやすい言葉で話したとしても、伝わらないと思う。実感として、わからないと思う。「青山ブックセンターっていう、おしゃれポジションをすっかり確立して、無くなるなんて考えられない本屋さんがあったんだけどね、支店がどんどん潰れていったんだよ。六本木店なんて名所みたいだったのに、とうとうそこまで無くなったんだよ」「すごい可愛い女の子がいてね、絶対に有名な芸能人になるとしか思えなかったんだよ。実際、人気の雑誌やテレビ番組にいっぱい出て。でもね、気がついたら別の女の子たちが活躍していて、その子はひっそりと芸能活動を辞めていたっていうニュースを見たんだよ。事務所が売り出したのに、思ったように人気が出なかったっていう理由が書いてあったんだよ。そうそう、当時は雑誌やテレビがね、みんなが見るものだったから。SNSやYoutubeで滅びちゃったけど、それももう昔の話だよね」。

 だけど私は、子どもに伝えたい。それが希望を生むと思うから。毎日その時を大切に、楽しんで生きることに目覚めさせると思うから。変化には、良いことも悪いこともある。そうじゃないくて、自由であることに気づいて欲しいんだ。

 私が子どもの頃、随分と先にディズニーシーができるというニュースが、新聞に小さく載っていた。大人になって、男の人と、出来立てのディズニーシーでデートするかな、と思った。そんな大人にはならなかった。新聞も取らない、家族もろくにいない、地味な生活を送るようになった。右肩上がりの社会が終わり、その移行期に、自分の中だけでなく前時代を生きた親との間に軋轢を感じながら、それでもしぶとくもそもそと自分の楽しみを味わってきた。セブンのカフェオレが美味しいとか、ツイッターのタイムライン眺めてぼーっとすると嫌なこと忘れられるとか。

 きみが生きる世界は、きみがつくる世界だから。今、2歳を過ぎて一人で歩けたことを喜んで、パチパチと両手を叩いているニャタが、正解なんだよ。何にも惑わされず、心の声をしっかり聞いていくんだよ。