よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

ライオン(はじめてのお絵かき)

 お風呂上りに私がドライヤーを使って部屋へ戻ると、ニャタに服を引っ張られた。ニャタのもう片方の手は、お絵かきボードを指している。ニャタは描くことを好まないのでしばらく眠っていたが、この数日は予定を書いて使っているものだ。

 「ライオン、まる、かく、変!」とご立腹である。どうやらライオンを描こうとして、上手くできないようだ(なぜライオン…)。まだ線を描くのも難しい子なので、さもありなん。

 代わりに描いてあげようと思う。「まず丸を描くの?」「うん」「次は?」「しっぽ!」「(丸の後ろ側の外を指して)ここ?」「違う、中」「丸の中にしっぽを描くの?」「うん」「こんな感じ?」「うん!」「次は?」「足」「いくつ?」「2つ」「この辺?」「丸の中」「こうでいい?」「うん」「次は?」「顔」「(もう一つ丸を書き足そうとする)」「違う!」「中に描くの?」「そう」「お目目?」「違う」「お鼻?」「違う」「お口?」「そう」「こんな感じでいい?」「うん」「それから?」「(両手を顔の横で『ガオー』のポーズをする)」「お手手?」「うん」「どうやって描くの?」「線」「いくつ?」「2つ」「それから」「おしまい!」「できた?ライオンになった?」「できた!ガオー!」

 ということで、頭足人みたいなのが描き上がった。はじめてのお絵かき作品。子供らしい出来上がりだけど、あれって描画の構成とかペンのコントロールの問題じゃなくて、頭の中で既に描かれているのね。

 はじめてニャタのお絵かきを(私の代筆により)見ることができて、興奮してバアバに話した。バアバにはあまり響かなかったようだけど、というか私の興奮っぷりの方が面白かったみたいだけど、まあいつもの感じで「すごいね」とニャタを褒めた。「ライオンさん、上手ね」と。そしたらニャタは「団子」と。え、団子になったの!? 確かに見た目はその方が近いけど…ニャタに言われるがまま描いたのに、幻のライオン…。