よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

ジイジ大好きニャタくん

 父と母が、居間に座って、私に向かって少し困った顔をしながら微笑んでいた。口々に、「そんなに心配はいらないよ」「あなたがニャタ以外に背負い込めないことは分かっているから」「自分たちで何とでもするつもり。どうにでもなるから」と言っていた。年をとったら病気もしやすいし、体も弱るし、もの忘れも増えていくかもしれない。今から色々と考えて何とか対策をしないと、と迫る私をかわす二人は、強がりにしか私には見えなかった。

 突然「あー!」という声が雰囲気を乱す。「ああ!あー!」お昼寝から起きたニャタが、布団から出ながら呼んでいるのだ。「はいはい!ここにいますよー」と言いながら私は駆けつける。そして、ニャタを抱っこして戻った後、ジイジは駅へ向かい、バアバは台所へ立ち、ニャタと私はお風呂に入る。

 夜、ざわざわとした気持ちが静まらない。なんなら、ほぼ30年ぶりだった。家の中で、両親が揃って、私に向かって、穏やかに話をしていた。懐かしく思うほどにも覚えてない感覚。両親はケンカをするよりも、別に暮らすことを選んだから。

 ニャタが大きくなって迫力が出てきて、育児を手伝うために呼び寄せられたジイジ。これから、もっとマメに出現することになるだろう。ニャタはすごいな。ニャタは他の人にできない、色んなことができるんだね。