よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

家族の様子

 支援センターで「新しい生活はどうですか?」と聞いてもらって、「今のところ、上手くいっているようです」と答えることができた。新しい家族が、私たち親子に気を遣ってくれているのも分かる。でも、小さな子と接したことが無いわけだから当然で、例えばニャタの「どして? どして?」攻撃に、「いま作業中で返事できないから」と答えたりする。私の胸はキュッとする。するとニャタは、別の遊びをはじめる。また次の機会には屈託なく話しかける。親バカだけど、邪険にされたことのない人は、邪険にされることに余計なネガティブ感情を引き起こされないのかな、なんて思う。

 ジジババとの交流も続いている。私は子どもの頃から、大人になった今まで、この二人とはそれぞれにどう付き合っていけばいいのかよく分からなかった。だけどニャタは、例えばテレビが見たくなると祖父母の家へ行きたがり、玄関で「僕、来たよー!」と叫んで奥から出てきてもらい、自分でテレビをつけて見ている。満足すると「帰る」と言って靴を履く。ジジババは一挙手一投足にニコニコして、よくプレゼントを用意してくれている。

 支援センターの人に、このような現状をお伝えしたところ、「ニャタくんが家族の中心になってくれていますね」と言われて、初めて気が付いて、本当にそうだなあと思った。小さく障害もあるニャタにそんな役割をしてもらって申し訳ない旨を呟いたところ、「そうですか?」と、その言葉は受け取ってもらえなかった。そういえばこの人は、私が家族の都合でニャタには何回も引越しさせて申し訳ない、と言ったときにも、「ニャタくんだって家族の一員なんだから、協力してもらいましょう」と力強く言ってくれた人だ。発達支援の人なのだから、母親支援もそうかもしれないけど、やっぱりまずは障害のある子どもの負担を一番に考えて苦言を呈してもいいはずなのに。

 ニャタを見ていると、人間って、能力って、と思う。そろそろスプーンを手に持って、トイレに行ってくれてもいいんじゃないかとも思うけど。