ぬいぐるみのクマと、2歳のニャタが向かい合って座っている。ニャタが玉子ボーロを、握りつぶさないように逃がさないように上手につまんで、クマの口元に寄せている。「あーうー」と謎の会話をしながら。「うんうん」と、やたらペコペコお辞儀をしながら。
優しいなあ。クマにボーロをあげているんだ。ニャタはまだお菓子を食べないけど、赤ちゃん煎餅も玉子ボーロも、でも大人たちが食べるお菓子がいいものだって知っていて、あげているに違いない。
ニャタ自身は、いまだにスプーンにのっかった離乳食中期から後期くらいのものしか召し上がらない。発語もはっきりしない。嚥下障害、構音障害、そういうことだ。でも、優しい心は育ってきている。
そんなニャタを急かすつもりもないんだけど、今度こそは食べれるかと買い続けている、赤ちゃん用のお菓子。それをクマにあげてやり過ごしていると考えれば、ニャタもなかなかの策士な気もしてきた。
まあ、ゆっくりやっていきましょう。生き急ぐ世の中でもないし。