掃除機をかけようとすると、嬉しそうに寄ってくるニャタ。両手を挙げる、「抱っこ」サインだ。掃除機はコードレスのスティックタイプ(最近じゃ当たり前なのか?もう一台は昔ながらの本体+持ち手と電源コードがあるやつ)。ニャタは13kgほど。片手で抱いて、片手で掃除。通販番組のように「ほら片手でこんなに軽々、今ならもう片方の手で抱っこできるニャタが付いてます!」とにっこり謳ってみるも、すぐに腕がプルプルと痛くなってくる。でも頑張る。忍者のように。毎日伸びるタケノコを跳び越えて空高く跳べるようになるという忍者のように。決して、イソップ童話の最後の藁1本で潰れるロバにはならないよ、お母さんだもん。ニャタのただ一人の親だもん、私が抱かなくてどうする。
はっきりと正しく発音ができるようになったニャタ。「おっ、ぱい」とか。「だ、っこ」とか。あれ、なんか分野が偏っているなあ。3歳過ぎてるんだけど、ぱい? まあいっか。
「ニャアニャにやってもらおうね」ってぬいぐるみの猫を持ってくると、(遊びが中断されるから)嫌がることも大体やらせてくれる。オムツ替えとか水分補給とか。でも、本当に猫ならOKというより、親子の間でそういう決まり事になっている感じがする。お母さんが猫を連れて来たら、僕はにっこりしてやるんだよ、みたいな。そういうところ、ニャタは意外とわかってる。わざとやってる。お膳立てが必要なプライドが高い上司みたいな感じ。
ニャタのいろいろな今だけのささやかな出来事が、とても貴重に思えて、書き留めて置かないといけない気がする。これからニャタが(良くも悪くも)どうなるとしても、今がとても大切なのだよ。