可愛い可愛いばかりのニャタだったけど、どうも最近、彼は進化した。「マダ、マダー」と帰宅や食事や入浴を拒否して、時には座り込みを発動し、だけど、私が強く言っても、笑顔を向けてきたり、せいぜい真顔。怒りや悲しみの感情は、私の中に沸き起こってくる。もちろん、まだ自分の気持ちをコントロール仕切れない幼さだとは思うけど、ある程度以上、訳は分かっていると傍証あるいは直感的に私は確信したのだ。
こうして、親子間の闘争がスタートした2020年の正月。バアバが、ニャタというより私の変化を察知して、ニャタに「カアカアにごめんなさいを言うんだよ」と教える。そっぽを向いて「ゴメンサー」と呟くニャタ。さあこれで仲直りと思ったバアバの予想に反して、「そんな一言じゃ、どうしようもない」と大人げない私。「もうしないって言っても、そう言いながら何回もしてるんだから」と、子ども相手に無駄な戦いを挑む私。
意地悪や罰の気もちでは無いと自分を信じながら、進化した彼には、もう少し自分の身の回りのことを自分でやってもらうことにした。だって、こんなに状況を読んで、こちらをコントロールしようとしてくる人が、自分のことを任せっきりっておかしいでしょ? 全介助の着替えや食事を、出来るところは自分でやってもらう。そして、本当は出来るところが多いんだから。
「だから前から甘やかしすぎって言ってたじゃない」と言うバアバにも、私は違うと思う。今までと、これからは、違うのだ。生まれて、とても可愛くとても心配して、彼の体のことや生活環境を必死に整えてきて、幸運にも恵まれてひと段落の今、私たちは恐る恐る、次へ進むのだ。明日が、次の瞬間が、今のようにあるわけではないかもしれないから、できるだけ笑顔で楽しくと強迫的に思ってきたけれど。明日もあると信じて喧嘩する!