よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

子どもたちを頼りにして

 怪しげな音と光を出して動き回るB級っぽい玩具と、ニャタと、寝室に閉じこもっていた。ニャタのご意向により。実に楽しそうに、結構延々と遊んでいた。その幼さが愛しかった。この幸せな時間がいつまでも続かないことを思って悲しくなった。なんで私は昔から、せっかく楽しいときを心から楽しめないんだろう。その時に悲しくなる必要なんて無いのに。あっけらかんと楽しんでいるニャタの方が、よっぽど高級な生き物だ。お腹のニャトまで何だか楽しそうに動いていて、頼りない母で申し訳ないけど、この二人を支えに生きていきたいと思った。

 産休に入って、ニャタと二人きりの時間を楽しもうと思っている。お腹のニャトの存在感も大きいけれども。とはいえ、ついつい声を荒げることが多くなってしまった。玩具を自分で片づけなさいとか、ご飯に呼んで「はい行きます」と良い返事だけ繰り返してiPadを見続けるのは辞めなさいとか。それでも、ニャタは私のことがとても好きそうである。運動能力のせいか知的発達のせいか、たぶん両方なんだろうけど、ニャタは赤ちゃんの時にほとんど泣かなかったし、後追いもしなかった。今日、「こんなに怒ってばかりだったら、カアカアはもうお腹が大きいのお休みお終いにしていい?」と言ったらニャタは寂しそうな顔をして、「カアカアお休みの方が良いの?」と聞いたら「お休みが良い」とはっきり言われたとき、なんだかニャタが生まれて初めて、私をはっきりと求めることを表出したような気がした。

 自分の心身も不安定だし、コロナで世の中も大変だし、ニャタも脆弱に生まれついていると思うけど、もう少し頑張っていかないと。今のところ幸いが続いているのだから。