スペシャルニーズの日々

この世界を楽しく生きていくために。

泣く子と眠る

 今日のニャタは泣きまくりだったね。

 体調が悪いわけでは無さそうだった。熱もないし、便秘でもない。日中は元気に遊んで、夕飯もきちんと食べた。お母さんが仕事から帰ってきて、おうちに帰って少し遊んだ時だって元気だった。

 その後、お風呂に誘って、なかなか入りたがらないところも、いつもどおりだった。しょうがないよね。お母さんと再会したら遊びたいし、遊んでいたらお風呂に切り替えるのは難しいよね。

 でも、いつもなら、洋服を脱いで浴室に入ってしまえば、一転して水遊びを楽しみだすのに。そして、今度はお風呂から出るのが嫌だと言い出すくらいなのに。

 今日は、まず追い炊きのスイッチを押したがって、(前はだっこして押させてあげてたけど、あんまりピッピするからバアバが子供は押しちゃいけないと決めちゃったので)それを許されなかったら「わーん」と泣き始めたね。それから、なだめても、玩具で気をひいても、抱きしめても、激しく泣き続けだった。お母さんは心配したし、困った。色々やった後に、このままではいけないと思って、最低限ニャタを洗って湯舟につけた。

 そうする間も「バアバがいいの?」と聞けば泣き止むこと、お母さんは知ったよ。バアバがお母さん代わりになってるのかな。お母さんは子育てが下手なのかもね、初めての子だし、バアバによると「子育てに向いていない」らしいからね。それに、子父が家事育児を拒否して暴言を吐いて、お母さんは別居して働かざるを得ないんだよ。だから、バアバの方が長い時間一緒にいるしね。でも、バアバは何かあるとお母さんの子育てを批判するけどね、お母さんは何かあってもバアバのせいにはしないよ、バアバがニャタをみてくれるからこそ生きていけるんだからね。

 ようやく、ささっと二人を洗って、ちゃぽっと湯舟に漬けて、お風呂から出られる時が来たんだよ。ちょうどその時だったね。バアバがお風呂場にやってきて、ドアを開けて、「泣かせ過ぎ」と言ったんだよね。

 子父と同居していた頃、フルタイムで働きながら障害児ニャタを一人で育てていたお母さんは、本当に睡眠不足で、心身ともに疲れ果ててしまったんだよ。どんなにニャタが愛しくても、やっぱり人間には、特にお母さんみたいな弱い人間には、限界があるんだよ。それで、「あなたがこのままなら、私はニャタを道連れにする」と、とうとう言ってしまった。そしたら、「一人で」と言われたんだ。それで我に返って、ニャタを抱えて逃げたんだけど、避難先は一つしか無かった。それは、お互いに相性が悪いことが分かっていて、お互いに胸を撫でおろしながらさよならをした、実家の母のところ。

 今日はじめて思ったのは、私一人でもいいのかなっていうこと。ニャタのことがどんなに大切だからって、やっぱり自分と違う人間として尊重しなきゃいけないのかもしれないし、ニャタにはニャタの幸せがあるし、そんなに私が私が、私がいないとって、思わなくてもよいのかしら。私はね、お母さんは、ごめんもうこれ以上頑張れないかもしれない。

 黙って布団をひいて、話しかけてくるニャタに答える声も微かなまま、いつもおっぱいなのが幸いに寝かしつけちゃったけど、いい夢を見れているのかな。ニャタはどうしたい?お母さんにどうして欲しい?聞いちゃダメだよね、お母さんが良きに計らってあげないと。

 明日になれば、また違う一日が始まるのだから。今日はもう寝るが良いね。いつもどおり、二人で何度も起きながら、また朝を迎えよう。ニャタはまた、遊んで食べてお昼寝もして、お母さんは積もり積もった寝不足やらを抱えながら働いて、夕方にはまた再集合しよう。そしてまた継ぎはぎの眠りについて、また違う朝を迎えよう。