よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

子育てメモ

どこまで行けばいいんだろう、ニャタを連れて。

昼寝から目覚めたニャタが、窓の外を指さす。5月の夕方は、まだ暖かく明るい。急いで支度をして(オムツ替えて水飲ませて上着を着せて、お散歩バッグに水入れて、自分のスマホと鍵と上着をかき集め)、ニャタの手を引き散歩に出かけた。 ニャタは腕を伸ばし…

色々感じて考える

白い粘土を不格好に丸めて、「ニャー」と言いながら両手をグーにして胸の前に揃えた。「ニャーニャの、お腹?」と聞いたら、そうだと。ニャタが気に入っている猫のヌイグルミは、お腹が丸い。これが初めて、ニャタが自発的に作った粘土作品になった。 昨日か…

子どもが見た夢を語る

昼寝の部屋から気配を感じて見に行くと、ニャタが布団の端に座っていた。まだ視点もあっていない感じで。「起きたのね、お昼寝してたねー」と声をかけたら、こっちを見て、ボールを投げる動作をする。午前中に遊んでいた、新聞紙で作ったボールが少し離れた…

子どもの冒険を見守る

ジイジの買い物にバアバが付き合って、その時に高級子供服屋でニャタのリュックをバアバが選んで、ジイジがお金を出してくれた(昭和の高度成長期に意に反して専業主婦となったバアバと、平成に働く私とでは価値観が違い過ぎるのだけど)。 ともかくニャタは…

子どもに手を引かれて歩く

三輪車から降りると指さしするので、手をつないで歩けるかな?と思った。歩き出してすぐ、私の逆側に回り込んだ。ハンドルを持つ手で「ぶ、ぶ、ぶ」と自動車のサイン、それから道の端を指さす。「こっち側は自動車が通るから、反対側を歩きます」ということ…

育児が楽しいのは今だけなのかな

玄関口で会計に手間取っている業者のおじさんのことを、「お母さん、上がってもらって一緒に遊ぼうよ」と言ってゴネたニャタ。ジェスチャーなので直接は伝わらないし、あまり騒ぐので私が通訳したら、おじさんも「時間とっちゃってごめんね」と良い感じに流…

子どもの怒り方が分からない

持病があって、知的障害があって、言葉で表現することが特に苦手なニャタだから。ご機嫌が悪い時に、何か具合でも悪いんじゃないかと心配してしまう。それで、なかなか怒れないでいる。 着替えをしたくないとグズる。食事の席につかないとゴネる。遊び中に水…

思考回路(ニャタ3歳半)

約束どおり、ジイジが遊びに来た。駆け寄るニャタとジイジを居間に残して、バアバはいそいそと自分の部屋へ、衣替えをやりに。私もいそいそと台所へ、明日からの常備菜を作りに。バアバと申し合わせたわけではないので、二人ともが「ジイジが来てニャタから…

心配性のお母さん

脊髄損傷の再生医療が実用化されつつあるというニュースを見て、期待する。滑って転んで体のほとんどが動かなくなるなんて、あまりにも、だと思う。当事者の方たちのことを思うと下手な言葉を出せないけど、原始的というか野蛮というか。 小さな子どもが、お…

深夜の料理と明日のダンス

寝かしつけた後に、野菜を刻む。明日のために、ミートソースをホットクックで作っておく。本当はフードプロセッサーを使って野菜をみじん切りにしたら、早くて楽なのになと思う。でもニャタが寝ていて大きい音を出せないので、フードプロセッサーは使えない…

出来ることと出来ないこと、軽度~中等度知的障害児3歳半編

昼寝から起きて、横に転がっている私を見て、自分の口を指さす。「マンマ食べたいの?」と聞けば、うなずく。「…お昼寝してたんだよ。朝と間違えてない?」と言えば、恥ずかしそうに微笑む。15時。朝起きた時はすぐに朝ごはんだから、昼寝から起きて朝だと間…

カーカソコッコイークーヨ

「カーカ、ココッコッ、イーテー(お母さん、ここに来て)」。ニャタ3歳半にして、発話が単語レベルからレベルアップ。文章なのか?何語文なのか?よく分からないけど。それに、バアバがまるっと教え込んだだけで、ニャタの言語能力にとって「長い単語」以上…

「スペシャルニーズの日々」から「ぺっちゃぶー」へ。

この数日、ニャタが一日中ひまを見つけては、「ぺっちゃぶー」「あ、ぺっちゃぶー」と言っている。意味も由来も、よく分からない。こちらが「ぺっちゃぶー」と繰り返せば、可笑しさを抑えきれないといった風にケラケラと笑い出す。 なんか別にこの子は、特別…

アラームで起きて夜更かしする

右手の震えが止まらなくなって、しびれが辛くて、どうすれば止められるの!と思ったらアラームをバイブで知らせるiPhoneを握りしめて眠っていた。また朝寝坊だ。ニャタも横で寝ている。でも私が起きたらすぐ起きて座ったから、私が起きるのを待っていたのか…

ジイジ大好きニャタくん

父と母が、居間に座って、私に向かって少し困った顔をしながら微笑んでいた。口々に、「そんなに心配はいらないよ」「あなたがニャタ以外に背負い込めないことは分かっているから」「自分たちで何とでもするつもり。どうにでもなるから」と言っていた。年を…

ファンタジーが分からない

ニャタは自分を「お姉さん」だと言い、椅子に座って、机の上に画用紙とクレヨンを用意する。私のことは「おじさん」だと言い、横に座らせる。 盛んにホニャホニャとしゃべりながら、画用紙やクレヨンには触れず、パントマイムのように左のものを右へ、右のも…

発達目安表(ダウン症合併症少なめニャタ編)

出生直後:泣く。しかし、その後は一度、眼科診察時にしか泣かなかった。 NICU時代:お腹が空いても泣くとか起きるとかしない。フロッピーインファントなのに経鼻胃管を自己抜管して、担当看護師さんにインシデントレポートを発生させる。 0歳1か月:アラー…

新しい家族へ

家族について、考えている。 ニャタと私と、親子2人でもやっていけると思う。 でも、3人以上の家庭とは、少し違うような気もする。良し悪しは別としても。 バアバはいる。でも、ずっと元気ではいないだろう。それはもちろん、私もニャタも同じこと。 親バカ…

セルフ赤ちゃん

ニャタの姿形はマジョリティのそれに比較的近く、3歳を過ぎて、もう赤ちゃんには見えない。 食事はキザミ食レベルだ。似通って見えるお友達は、ほぼ普通のご飯を食べられているのに、謎である。最近は進化して、半分に割ったイチゴをすり鉢に入れて、すりこ…

おもちゃにしか見えない。

達者にトットコ歩くようになったニャタ。3歳を過ぎて、私が風呂場に行けば後ろからついてきて、寝室に物をとりに行けば後ろからついてくるようになった。ときどき、走るような足音も聞こえる。でもよく見ると両足同時に浮いている瞬間はないから、小走りモド…

午前3時に、自分がしていたこと。

3歳も半ばになってきて、いまだにパイパイをしているニャタ。でも、別に良いというか、当たり前くらいに思っている。「発達がゆっくり、倍くらいかかるよ」らしいので(なんじゃそりゃという皮肉を込めて、正常発達をゆっくり辿るなんてアインシュタインもび…

強かった親の影が薄れていく

溢れかえった洋服を片づけている(まあ収納スペースが狭いので、入り切る量だと日々の生活に足りないんだけどね)。上手いこと着れるかもしれない、と捨てきれない洋服の少なからずは、古いけど元々は立派だった物。何年も前に、親にデパートで買ってもらっ…

ニャタを抱えて家を出た日のこと

育児と仕事で疲れ切ったとき、別れた元夫のことが頭に浮かぶとき、もともと相性が悪いのに頼っている母と喧嘩したとき。小さな赤ちゃんのニャタを抱いて、大きな荷物を抱えて、家を出た日のことを思い出す。 とても大きな出来事で、たった2年くらい前のこと…

第一次反抗期がやってきた

2歳のイヤイヤ期がおさまったと思ったら、今度は反抗期。ニャタ3歳と半年くらい、順調に育っておられる。 電気コードは触らないように指導しているのに、引っ張る。注意するのに止めない。以前だったら、怒られたり、私が「あ!」と驚いた声を出すだけでも、…

駄洒落と言い間違い

ニャタのダジャレ第3弾 ちなみに第1弾 たぶん第2弾 初めての言い間違い ニャタのダジャレ第3弾 ニャタ:(手足をバタつかせながら)「ううーん!」 私:「反抗的!」 ニャタ:(シャチハタを押す真似) 私:(ぺたんとニャタをはたきながら)「それはハ…

感覚過敏の親と子

大体いつも機嫌が良いニャタ。なんて良くできた人間なんだろう。 私は大体いつも顔をしかめていたかもしれない、今思えば。湯船から出て、バスタオルで拭き取るまでが苦痛。痛いとも痒いとも違う、ちくちくとした全身の不快感。ニャタもそうだろうと思って、…

我が家の唯一神ニャタと全国の色々なお友達

「自慢げに、うがいしてるよ」と母はテレビを見ながら悪態をつく。 「ニャタの方がぜんぜん可愛いのにね!」と抱き寄せる。 あの自分で歯みがきできるのを見せるコーナーは、何のためにあるんだろう? 子どもが「僕だって!」「私だって!」と成長を促進され…

知的障害って脳がどういう状態なんだろう

できないこと できること 知的障害児に教育する限界について できないこと 食事中、トマトを食べながら、トマトの写真が載った本を見ている。 はじめてのたべもの100 (0・1・2さい ぐんぐんそだつ好奇心) 作者: フォトリア 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日…

否定するって難しい

近頃のニャタは決まった会話をするのが好きだ。 パターン1「体温計のケースが無い」 私:あれ?体温計のケースが無いよ。 ニャタが座る位置をずらし、お尻に隠されていたケースが出てくる。 私:あった!もしかしてニャタが隠していたの? ニャタ:(にやつ…

ふつうのおもちゃnot知育玩具

宅急便が届いた、ジイジから。品目と解説の、自筆リスト付きで。 一つ目、パズル。「脳細胞が活性化します」とのこと。 二つ目、輪投げ。「脳と手の連携が向上して、運動神経に良いです」と。 三つ目、タンバリン。「ただのおもちゃです。うるさかったら捨て…